福島県郡山市大槻町 眼科 君塚医院ホームページ:目のいろいろやQ&A、医院案内、院長のコラムなど、皆様のお役に立ちたいと思っております。

福島県郡山市 眼科 君塚医院
眼科 君塚医院
〒963-0209 郡山市御前南一丁目5番地
TEL. 024-962-3355
FAX. 024-962-3300


  1. 飛蚊症
  2. ドライアイ
  3. 緑内障
  4. 近視・遠視
  5. 眼底出血
  6. 糖尿病と眼の検診
  7. 変視症
  8. 結膜下出血
  9. 流行性角結膜炎
  10. 花粉症
  11. アレルギー性結膜炎
  12. 調節緊張(痙攣)・偽近視
  13. 翼状片
  14. 瞼裂斑
  15. 加齢黄斑変性症
  16. 網膜小動脈硬化症
  17. プールでのゴーグル使用
  18. 光視症
  19. 紫外線の角膜障害
  20. 加齢黄斑変性症の新しい治療
  21. ドライアイとアレルギー性結膜炎
  22. 眼底検査について
  23. OCT検査
  24. 点眼薬の使い方
  25. 異物が目に入ったら
  26. 糖尿病網膜症

糖尿病網膜症

糖尿病で血糖コントロールが悪い状態が続くと、眼底には次のような変化が生じます。網膜症がない(NDR)→単純糖尿病網膜症(SDR)→前増殖糖尿病網膜症(PPDR)→増殖糖尿病網膜症(PDR)と進展し、糖尿病黄斑症も発症することがあります。
PPDRの段階までは殆ど症状は出ませんが、PPDRになると眼底の毛細血管が閉塞します。このため網膜が酸素不足となり、新生血管という異常な血管を作ることで酸素不足を補おうとし、PDRに進展します。
NDR/SDRでは血糖コントロールが主体です。
PPDRでは新生血管が生じることを阻止するため網膜光凝固術を行います。しかし勢いが止まらずPDRになると硝子体出血や網膜剥離が生じ硝子体手術が必要となります(新生血管の勢いを押さえる薬剤を術前に使う場合もあります)。
病期を正確に判断し 適切な治療を行うため定期的な検査が大切です。

2011年10号 「民報 ホームドクター」掲載

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異物が目に入ったら

目に異物が入っても多くの場合、涙に流されて出てきますが、いつまでも痛みや異物感が取れないことがあります。
異物が瞼の裏側に張り付いている場合は清潔な綿棒、ガーゼ等でそっと拭き取れることがあります。(ただし、無理はしないでください)角膜の表面に付いたり、刺さっている場合は、きれいな水を張った洗面器に顔をつけ数回瞬きをしてみます。これでも取れない時や痛みがある場合は眼科を受診してください。
鉄を扱う作業時に、鉄の小さなかけらが目に入ることがあります。取れにくく、錆が角膜表面に残りますので、眼科の受診が必要です。化学薬品が入った場合は流水で目を洗浄して眼科を受診してください。特にアルカリ性の薬品は角膜の深部まで腐蝕して視力障害が残ってしまうので注意が必要です。
また、最初は痛みが強くなくても視力が下がって来たり、かすむ、黒い点が見える等の症状が出て来た場合、眼球の中まで異物が達していることもあるので、この場合も眼科を受診してください。

2011年6号 「民報 ホームドクター」掲載

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点眼薬の使い方

まず、手を石けんでよく洗い、点眼瓶のキャップを開けたら、先端が他のものに触れないように気をつけます。顔を上に向け片方の手で下まぶたを引き、点眼瓶の先がまつげや、まぶたにふれないようにして、下まぶたに点眼薬を落とし、軽く目を閉じて目頭を1〜5分程度軽く押さえます。
眼瞼にあふれた目薬は拭き取ってください。
点眼薬は二滴以上さしても効きめは同じです。あふれた目薬が瞼に悪影響を及ぼすこともあるので、一滴で十分です。同じ目に複数の点眼薬をさすときは、効果が十分出るように、5分以上あけて点眼します。(指示が無ければ点眼の順番は問題ありません)
点眼薬は開封した場合、使用期限は1ヶ月です。古くなった点眼薬を使い続けると細菌などが繁殖する可能性も出てきます。感染症であれば点眼瓶を介してうつる可能性がありますし、似たような症状でも違う病気で却って悪化する場合もあるので、他の人の点眼薬を使い回しする事はできません。

2010年11号 「民報 ホームドクター」掲載

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OCT(Optical Coherence Tomography:光干渉断層計)検査

眼科の診療で一般的に行われる眼底検査では網膜表面の状態は把握できても、その奥の状態まで正確に知る事は困難です。
OCT検査は薬剤を使わず、短時間で網膜の断面や神経の厚さを検査でき、結果を3D表示する事も出来ます。
この検査を行う事で、加齢黄斑変性、黄斑円孔、黄斑前膜、黄斑浮腫や緑内障の神経の形態を詳細に把握し、治療方針の決定や治療効果を正確に判断出来るようになりました。
OCTは多くの検査機能があり、網膜や視神経の病気の早期発見、診断、治療に有用な情報が得られます。神経は一旦障害されると元に戻らないので、神経が障害される疾患では早期発見・治療が大切です。

2010年7号 「民報 タイム」掲載

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眼底検査について

瞳孔(黒目)から眼球の奥を観察し、網膜や視神経、網膜の血管等の状態を調べる検査です。
検査時はまぶしく感じますが、沢山の情報を得る事が出来ます。
より詳しい検査を行うため散瞳(瞳孔を大きく)する点眼薬を用います。
散瞳すると、近くが見づらくなる、まぶしくなる等の症状が出ますので、自動車・オートバイの運転や自転車に乗ることは控えてください。
散瞳による症状は徐々に回復しますが時間がかかりますので、時間的に余裕を持って眼科を受診してください。

2010年5号「こおりやまゆう」掲載

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ドライアイとアレルギー性結膜炎

今年もスギの花粉がたくさん飛散する、花粉症を持つ人にとって悩ましい季節になりました。

目の表面が乾燥しやすいドライアイの方は目の表面の洗浄能力が低下しています。このため、目の表面に付いた花粉やダストを洗い流す力が低下し、目の表面でアレルギー反応が生じやすい状態になっています。

また、アレルギー性結膜炎が発症すると、炎症により、目の表面や眼瞼の裏側が荒れてしまい、ドライアイの症状も強くなってしまう悪循環が生じてしまいます。

ドライアイ・アレルギー性結膜炎の点眼薬を忘れずに使うこと、目を乾燥させないようにすることや、アレルギーを引き起こす花粉やダストが目に入らないようにドライアイ/花粉症用の眼鏡を掛けることで症状を軽減できます。

2010年3号「民報 タイム」掲載

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加齢黄斑変性症の新しい治療

加齢黄斑変性は、網膜の中心の黄斑部が加齢により変化し、その奥にある脈絡膜から異常な血管が発生するため、視力が低下する疾患です。(網膜は人間の目をカメラに例えた場合フィルムに相当する場所です。)

病気の原因となる異常血管は正常な血管とは違って脆いため、出血や、むくみを引き起こします。その結果、黄斑部の働きが悪くなり、見たいところが見えない、輪郭がはっきりしない、歪んで見えるといった症状が生じます。

病気の状態や時期によって治療法は異なりますが、病気の原因である、脈絡膜からの異常血管の発生や成長を抑える薬剤を眼球内に注射する治療が可能となり、これまで主流だったレーザーによる治療と同等かそれ以上の効果を得られるようになりました。

病気を早い段階で発見し治療する事が大切ですので、先に述べたような症状がある方は、詳しく検査を受ける事を勧めます。

2009年11号「民報 タイム」掲載

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紫外線の角膜障害

紫外線は角膜表面に強い障害を起こす事があります。良く晴れたスキー場、日差しの強い海水浴場等でサングラスを掛けずに一日を過ごした場合などに生じます。電気性眼炎とも言い、溶接をする時にプロテクターを使用せずに作業した場合にも起きます。

症状は強い痛み、流涙、充血等で、目を開いているのも辛くなる程の症状が出る事も少なくありません。紫外線に当たった直後ではなく、時間が経ってから症状が出る事が特徴です。

検査用の顕微鏡で角膜を診察すると、その表面全体に細かな傷ができているのが観察されます。治療には眼軟膏・点眼薬を使い徐々に傷が治るのを待ち、痛みには対症的に鎮痛剤を使います。

2009年6号「民報 タイム」掲載

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光視症

まぶたを閉じていたり、光の無い暗い場所にいるにもかかわらず、光ったものが見える症状を光視症と言います。

眼球は体積のほぼ3/4がゼリー状の硝子体で満たされています。網膜(眼球の内側に張り付いている光を感じる神経)と硝子体は所々強固にくっついています。硝子体と網膜のくっついている場所で網膜を引っ張る力が強くなることがあり、このときに光視症が生じると言われています。

また、年齢とともに硝子体には変化が起き、硝子体が小さくなります。このような変化が起きて網膜を引っ張る力が強くなると、網膜に裂け目が生じて網膜剥離という病気を引き起こすこともあります。光視症が繰り返し出現するようでしたら、眼科の受診をお勧めします。

2008年11月号「民報 タイム」掲載

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プールでのゴーグル使用

学校や公共施設のプールの水には感染症の対策として、塩素が高濃度に含まれています。 この高濃度の塩素が角膜(黒目・茶目)の表面や、結膜(白目の表面・瞼の裏の粘膜)に炎症を起こしたり、傷をつけることがあるのでプールで泳ぐときはゴーグルを着ける方が安全です。

ゴーグルを着けていても目に水が入ってしまいますので、プールから上がったら洗眼することが必要です。ただし、水道水にも塩素が含まれているため、できれば人工涙液(防腐剤が含まれていないものが望ましい)を点眼するのが良いでしょう。(人工涙液は薬局で購入でき、ドライアイの方は眼科で処方を受けることができます)

また、ウィルス性の結膜炎と診断されたら、他の人にうつしてしまう危険性が非常に高いので自宅で安静にして治療してください。もちろんプールに入ってはいけません。

2008年7月号「民報 タイム」掲載

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網膜小動脈硬化症

「動脈硬化症」という言葉を聞かれた事があると思います。身体を巡っている動脈の壁が厚くなり、血管の弾力が低下した状態です。

眼底は身体の中で唯一、血管を直接観察できる場所です。眼底検査で網膜の血管を観察する事で動脈硬化の状態を調べる事ができ、動脈に硬化性の変化が現れていることを網膜小(細)動脈硬化症と言います。

動脈硬化は加齢とともに起こりますが、高血圧症、糖尿病等の疾患、肥満、運動不足等の生活習慣も進行のリスクと考えられています。また、動脈硬化が高度になると血管がつまりやすくなるので、脳梗塞や心筋梗塞を起こすリスクも高くなります。

網膜小動脈硬化症があっても症状は出ませんが、検診や眼科で診断されたら内科を受診し、原因となる疾患の治療を受けるとともに生活習慣を改善して、進行させないように注意が必要です。

2008年1月号「民報 タイム」掲載

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加齢黄斑変性症

人の目をカメラに例えると、フィルムに相当するのが網膜です。人が物を見る網膜の中心部、ピントの合う部分を黄斑部と言います。
黄斑部を構成する網膜の一部が加齢により変化し、本来は存在しない異常な血管(新生血管)が発生する事があります。新生血管が出来ると、出血、むくみ等が黄斑部に生じてしまいます。このため、「見たいところがゆがむ・見えない」といった症状が引き起こされます。

以前は、この疾患に対する治療は止血剤を内服する事や、周囲の正常な部分まで影響を及ぼしてしまうレーザー治療が主体で視力予後は良くありませんでした。最近は、検査方法の発達、新しいタイプのレーザー治療が開発され、何とか視力を保持できる方も増えてきています。

早期発見、早期治療が大切ですので、気になる症状のある方は、眼科専門医の受診をお勧めします。

2007年10月号「民報 タイム」掲載

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瞼裂斑

鏡で自分の眼を注意深く観察すると、茶色目のすぐ横に、白色〜ちょっと黄色みがかった盛り上がりがあることに気付く方がいらっしゃると思います。

目じりにも出来る事がありますが、目頭に出来る事が多く、結膜(白目の表面を覆っている粘膜)の、紫外線・乾燥などによる刺激、加齢に伴う変化が原因と考えられています。

瞼裂斑は周囲より盛り上がっているため、外からの影響を受けやすく、涙液の不足やコンタクトレンズによる物理的な刺激でも炎症を起こすことがあります。炎症で充血が起きたり、ゴロゴロする時は炎症を押さえる点眼薬を使用しますが、瞼裂斑自体は病気ではありませんので症状が無い場合は放置しておいても心配はありません。

2007年1月号「民報 タイム」掲載

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翼状片

多くの場合、鼻側の結膜(白目)とその下の組織が角膜(茶色目〜黒目)に侵入してくる病気です。ちょうど鳥の翼のような形に見えることから、「翼状片」といいます。

翼状片は屋外にいる時間の多い人によく見られることから、紫外線、乾燥・ほこりなどによる慢性的な目への刺激が原因ではないかと考えられています。

翼状片の充血が強く、炎症を起こしている時は炎症を押さえる点眼薬を使用しますが、角膜への侵入が大きくなければ放置しておいて構いません。視力の低下、眼球運動に障害が出るようになった時、外見上どうしても気になるような場合には切除します。ただし、手術をしても再発することがあります。また、手術後しばらくの間はゴロゴロして一時的に充血が強くなります。

2006年9月号「民報 タイム」掲載

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調節緊張(痙攣)・偽近視

お子さんが学校の検診で視力低下を指摘され、眼科を受診した結果、「調節緊張」「偽近視」等の診断を受けた方がいらっしゃるかと思います。
ヒトの眼は虹彩(茶色目)の後ろにある毛様体でピントを合わせています。この毛様体は近くをみるときには収縮して、遠くを見るときには弛緩します。近くばかりみていると毛様体が収縮したままになることがあり、この状態を「調節緊張」と言います。調節緊張では、近視ではないのに近視の状態を呈したり、近視が強めに出てしまうことがあります。
毛様体の緊張をほぐすような点眼薬を使用したり、日常生活で注意(意識して遠くを見、緊張をほぐす)することで調節緊張は軽減する可能性があります。
ただし、真の近視までは治すことが出来ませんし、年齢とともに近視は進行することが多いので、治療を続けても子供さんがみづらそうにしていれば、眼鏡の装用を検討して下さい。

2006年5月「民報 タイム」掲載

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アレルギー性結膜炎

スギ花粉の飛散予報を目にするようになってきました。目に生じる花粉症(アレルギー性結膜炎)の症状は眼の充血、めやに、かゆみ等が主だったものです。
治療は点眼薬の使用が主体です。症状の出る前(2週間程度)から抗アレルギー剤の点眼を開始することで、症状の軽減、症状がでる期間の短縮が可能となります。今年のスギ花粉の飛散量は、昨年に比べると随分少ないと言われていますが、毎年、花粉症に悩まされる方はそろそろ眼科を受診し、点眼を始めると良いでしょう。
原因となる花粉を回避するために、花粉の飛散の多い時には外出を控える、防護メガネをかけることも有効です。また、外出後には、人工涙液の点眼薬で花粉を洗い流すことも効果があります。
症状がある時に目をこすると、かゆみが余計に強くなったり、目が腫れてしまいますので、かゆくても目はこすらず、冷たいタオルで冷やすようにすると良いでしょう。

2006年2月「民報 タイム」掲載

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花粉症

目に生じる花粉症(アレルギー性結膜炎)の症状は眼の充血、めやに、かゆみ等が主だったものです。
治療は点眼薬が主体で、抗アレルギー剤、抗炎症剤の点眼を行います。抗アレルギー剤の点眼薬だけでは、すぐに効果が出ないこともあります。症状の出る前(2週間程度)から点眼を開始することで、症状を軽減できることが報告されています。ご自身の症状が出始める時期をチェックしておき、その前に眼科を受診し点眼を開始すると良いでしょう。また、原因となる花粉を目からシャットアウトするために、防護メガネをかけることも有効ですし、外出後には、人工涙液のような点眼薬で眼球の表面を洗い流すことも効果があります。
眼のかゆみがある時に眼を強くこすると、結膜浮腫(“しろめ”の表面からゼリー状のものがはみ出てくるように見える)が生じることがあります。さらにかゆみが強くなったり、眼瞼がただれてしまうこともありますので、かゆくても目はこすらず、冷たいタオルで冷やすようにすると良いでしょう。

2006年2月「HEART こおりやま」掲載

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流行性角結膜炎

アデノウィルスの感染による結膜炎で、人にうつりやすいため「はやり目」と呼ばれています。主な症状は目の充血、めやに、なみだ、異物感です。めやには大量で、まぶたが開かないほどのこともあり、耳前リンパ節の腫れや痛みを伴うこともあります。炎症が強い場合には角膜に傷が付くこともあり痛みが非常に強くなります。症状は発病から1週間程度が最もひどく、その後だんだんと改善して2〜3週間で治ります。
すぐに効く特効薬がありませんので、治療は対症療法を行います。炎症を抑えるために抗炎症剤、混合感染を予防するために抗菌剤/抗生物質の点眼を行います。
先述したように感染力が非常に強いため、流行性角結膜炎と診断されたら、学校、仕事は休み、自宅療養をする必要があります。また、家庭内でも手指の消毒、タオルや洗面器の区別などを行い、感染しないように注意することが大切です。

2005年6月「民報 タイム」掲載

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結膜下出血

突然、「しろめ」がべったりと赤くなるものです。
「しろめ」(強膜)の表面を覆っている粘膜(結膜)の血管から出血が生じて、血液が結膜の下に貯まるために起こります。結膜は、ほぼ透明なので血液が透けて見えるので赤く見えます。ちょうど皮下出血で青あざができるのと同じことです。結膜下出血が起きても多少の違和感がある程度で、視力低下、痛み、めやに等の症状は無く、鏡で自分の顔を見た時や、他の人から目が赤いことを指摘されて初めて気がつくことが多いようです。 結膜は些細な衝撃でも出血しやすいので目をこすった時や咳こんだだけでも起こることがあります。放っておけば、2〜3週間程度で自然に吸収されてしまいます。
結膜下出血が生じても血液が眼球の中に入ってゆくことはありませんし、ほとんどの場合、この後に眼底出血が起こることもありませんので心配する必要はありません。

2005年2月「民報 タイム」掲載

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変視症 (物が歪んで見えたら)

私たちは眼底の黄斑部と言う網膜の中心部にピントを合わせて物を見ています。黄斑部には光や色を感じ取る神経細胞が沢山あり、網膜の中で一番大切な場所です。ここに出血、むくみが生じた時に物が歪んだり暗くなったり色が違って見えるといった症状がでます。

このような症状を引き起こす疾患をいくつか紹介します。出血、むくみを起こしやすい血管が出来る加齢黄斑変性症、表面に薄い膜が張り網膜にしわが出来る黄斑前線維症、血管の壁から血液の成分が漏れ出し、むくみを生じる中心性漿液性網脈絡膜症、黄斑部に穴があいてしまう黄斑円孔などです。

いずれも眼底検査、中心部の視野検査、蛍光眼底撮影などを行い診断します。早期発見、早期治療が大切ですので、症状が出たら眼科を受診して下さい。家の中で格子状のもの(障子の桟など)を片目ずつ見てみると症状があるかどうか解りやすいでしょう。

2004年10月「民報 タイム」掲載

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糖尿病と眼の検診

血糖の高い状態が続くと全身の小さな血管が障害され多くの合併症が引き起こされます。糖尿病網膜症、糖尿病神経症、糖尿病腎症が3大合併症と言われています。
糖尿病網膜症は進行具合によって、(1)単純網膜症、(2)前増殖網膜症、(3)増殖網膜症、の3段階に分類されます。糖尿病網膜症で注意しなければならないのは、末期の増殖網膜症に至るまで、ほとんど自覚症状が出ないことです。
単純網膜症(1)の段階では血糖コントロールをきちんと行うことで進行を食い止めることが出来ます。前増殖網膜症(2)の段階になると光凝固による治療を行う必要性が生じてきます。定期的に眼底検査を行い適切なタイミングで光凝固を行えば、多くの場合(80%以上)で増殖網膜症への悪化を阻止することが可能です。自覚症状が出てくる増殖網膜症(3)に進展してしまうと光凝固の効果が極端に低下しますし、さらには複雑な硝子体手術を受ける必要性も出てきます。
糖尿病網膜症は放置していると、前増殖網膜症の段階を過ぎる頃から、血糖の状態が良くても悪化します。現在は手術の技術が進歩していますが治療が遅れたために多くの方が失明に近い状態になっています。そうならないように、糖尿病と診断されたら必ず定期検査を受けて下さい。

2004年9月「HEARTこおりやま 9月号」掲載

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眼底出血

眼球の一番奥に存在する網膜(カメラに例えるとフィルムに相当します)に出血が起きると、場所によっては視力が低下したり、視野の一部分が見づらくなるという症状が出ます。網膜は人間の身体で血管を直接観察できる唯一の場所で、網膜には全身の病気の影響が現れます。網膜の血管自体に原因があって出血を起こす場合もありますが、多くの場合は高血圧、動脈硬化、糖尿病など全身の病気が原因のものです。網膜の血管を直接観察することで全身の血管の状態を推測できますので、高血圧、糖尿病がある方はもちろん、症状が無くても一度は眼底検査を受けられることをおすすめします。眼底検査は、点眼薬で瞳孔を大きくし瞳孔から光を入れて網膜を隅々まで詳しく調べます。しばらくは眩しさが残りますので時間に余裕を持って眼科を受診して下さい。

2004年4月「郡山ザ・ウィークリー」掲載

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近視・遠視

物を見るには目に入ってきた光が角膜、水晶体で屈折され網膜に像を結びます。像が結ばれる位置がちょうど網膜上にあれば正視といい、手前であれば近視、後方であれば遠視と言います。近視では近くは見えるけれど遠くがよく見えない、遠視では遠くも近くもよく見えない状態になります。近視であれば黒板がよく見えない、目を細めて物を見ると言った症状が現れ、遠視ではいつも調節力(水晶体を厚くして焦点を合わせること)を使って物を見ているため目が疲れやすくなり、頭痛を訴えたりすることもあります。また、子供の時に強い遠視がある場合は物を見る能力の成長が妨げられ、大きくなってからも十分な視力が得られない場合があります。検診で視力異常を指摘された場合は眼科を受診して、眼鏡が必要な状態か、近視・遠視以外の病気による視力低下かどうか診断を受けるようにして下さい。

2004年5月「民報 タイム」掲載

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緑内障

眼球は視神経という太い神経で脳とつながっています。この神経が眼の中の網膜に映った情報を脳に伝え、見たことを認識します。緑内障は視神経の眼球からの出口部分が眼圧(眼の硬さ)の上昇等で傷付き、視野(見ることのできる範囲)が狭くなったり、見えない点が出現する病気です。治療しないまま放置すると失明することまであります。

最近の調査で40歳以上の5.8%(17人に1人)が緑内障患者であることが判りました。緑内障は眼圧が高くなり発症すると考えられていましたが、眼圧が正常範囲内(10〜21mmHg)に収まっていても緑内障の症状を呈する正常眼圧緑内障の頻度が高いことも判りました。

緑内障治療は点眼薬等で病気の進行を食い止めることであり、できるだけ早く治療を始めることが重要です。眼圧を下げるだけでなく神経を保護する働きのある点眼薬が開発されてきており、点眼薬で進行を抑えられる割合が増えてきています。点眼薬で進行を食い止められない場合はレーザー治療や手術を行うことになります。

緑内障には急激に発病するタイプと徐々に進行するタイプがあります。特に、ゆっくりと進行するものは初期に自覚症状を伴わないので発見が遅れがちです。神経は一度障害されると元には戻せない組織なので、早期発見、早期治療が非常に大切と言えます。日本では現在治療中の3〜4倍近くの患者さんが未発見、未治療とも言われています。緑内障は眼圧検査、眼底検査、視野検査などで診断することができますので40歳を過ぎたら年に一回は眼科で検診を受けるようにしましょう。

「街こおりやま」掲載

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ドライアイ

眼が疲れる、重い、すっきりしない、といった症状をお持ちの方はドライアイかもしれません。ドライアイは名前から「眼が乾燥する」といった症状が連想されがちですがこれらの症状以外に、かすむ、眩しい、熱感がある、といった症状が出ることもあります。

ドライアイは涙の分泌量が減っている場合や、眼表面での涙の蒸発量が多いことによって生じます。治療は人工涙液の点眼が主体となりますが、涙点プラグによる治療もあります。後者は僅かに出ている涙液を貯留させることにより眼表面の状態を改善させるものです。

冬場は空気が乾燥しています。加湿器の使用、風が顔に当たり眼が乾燥しないようにする。読書の時やパソコンを使用している時に意識してまばたきをする。また、暖かいタオルを眼瞼の上に載せるといったことでも症状が改善することがあります。

もちろん、ドライアイ以外の場合もありますから、症状があれば眼科を受診して下さい。

2004年1月「福島民報新聞」掲載

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飛蚊症

小さな点や、淡い影のようなものが眼を動かすたびに、目の前にふわふわと動いて見える症状を飛蚊症といいます。特に、読書をしている時や、白っぽい壁、空などを見ている時などにはっきりと見えます。

瞳の奥には、ほぼ透明なゼリー状の硝子体という組織があります。飛蚊症はこの硝子体の老化現象によって起こるものがほとんどです。これは後部硝子体剥離と言って硝子体の一部が溶けて収縮することをきっかけに濁りが出てくるものです。濁りの影が網膜に映るために飛蚊症の症状が出ます。この場合には生理的飛蚊症と言って治療の必要はありません。

しかし、飛蚊症の中には網膜裂孔、網膜剥離、硝子体出血、ぶどう膜炎など治療が必要な疾患が原因となる場合もあります。症状が出た時はもちろんですが、飛蚊症の悪化がある時にも早めに眼科で診察を受けるようにしましょう。

2003年9月「福島民報新聞」掲載

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